善根宿・通夜堂
四国の遍路文化を支える、善根宿・通夜堂と呼ばれる物があります。
ここではかなり厳しい言い方をしていきます。
それは、私たちは善根宿を保護していきたいからです。
その善根宿のオーナーさんの「心」を、どんな気持ちで善根宿をやられているのかを考えて頂きたいのです。
近年、遍路がマスコミによく取り上げられるようになって、情報が出るようになり、ネット環境が整うに当たって、情報の流出が加速していますが、一部を除き若干間違った認識で伝わっている部分がありますのでご説明させていただきます。
一言で善根宿と言うと「遍路をサポートしてくれる無料の宿」と言う説明になりがちですが、そもそもを言いますと、みなさんが想像しているような宿ではありません。
どんな物かと言いますと、宿という宿ではありません。
中には使っていない離れの家だったりする物もありますが、多くは「ガレージ」「倉庫」「農業作業小屋」「廃材を利用した簡易的な小屋」だったりします。
もちろん虫の襲撃に会います。
扉もしっかり閉まらなかったり、ものすごくよく言うと自然を感じられる物件だったりします。
それが善根宿です。
中には、頭の悪い遍路があそこは、電気も水道もないとか言い出す人がいますが、一言言います。
「文句言うなら泊まるな」
無料で泊めさせて頂く訳です。
地主(地権者)からそこに朝まで一泊して良いって許可が得られる場所がどれだけありがたく、夜中に起こされる警察からの職務質問や、いろいろな部分で怯えながらの野宿からしたら熟睡度が遙かに違って、明日の歩きにつながるのが分かっていない証拠ですし、そもそも間違った認識で善根宿を理解しています。
文句言ってるという事は、自分自身が今までいかに甘えて、生やさしい状況下で生きてきたかを言っているにすぎません。
自分自身の立場も間違って理解されていませんか?
たまにいますが、遍路やって偉くなっちゃう人がいます。
そこまで言いませんが、それの始まりではないでしょうか?
利用者は善根宿のオーナーさんの良心を受け取っている立場です。
そこには、本当の良心「心」だったりします。
文句を言っている人に聞きたいのですが、あなたはそれだけの私財と労力を費やして、見ず知らずのいろんな人、遍路の格好をした乞食や物乞いも含め、お世話できますか?
自分自身で善根宿をやってみて言ってください。
もう辞めませんか?
そんなクレクレの根性。天下り、補助金、助成金、生活保護、隣の人から、税金から自分の利益をいかに得ようかって根性で今の日本が傾いています。
善根宿がその末端に日本を表現している部分だったりする一面があります。
若い方などで経済的に大変な部分があり使うのは良いかと思いますが、その心に対しては心で返していって頂きたいと思います。
少なくてもみなさんは遍路と言う宗教にのっかって楽しんで、遊んでいるわけですから、自分の気持ちがどうあれ、人の良心を裏切る行為は、もしあなたが逆の立場ならどう思うのかをよく考えて見たら良いと思います。
善根宿のオーナーは個々のできる範囲で精一杯運営されています。
ただ、注意点として近年善根宿にも問題点が無いわけでもありません。
そこは別途書いていきます。[善根宿の利用上の注意と問題点]
ただ、本当の良心でやられているオーナーさんがいることも認識してください。
マスコミやネットにより偏った情報が氾濫していますが、本来の善根宿とはオーナーさんから声をかけていただくもので、遍路の利用者側が目指して行くものでも無かったりします。
また善根宿の情報はすごく流動的で出来たり潰れたりを繰り返しています。
それは善根宿の一生を知ったら見えてくるかと思います。
参照>善根宿の一生